本記事では、百田尚樹さんの「永遠の0」をご紹介します!
この作品は百田尚樹さんのデビュー作で、2013年に映画化、2015年にドラマ化した、戦争を戦った人々を描く物語です。
厳しい時代を必死で生き抜いた人々の熱い想いと生きざまに何度も泣かされ、現代に生きる私たちにも生きる指針と勇気を与えてくれるような作品になっています。
まだ読んでない方にもわかりやすいように、ネタバレなしであらすじと面白さのポイントを解説します!
この作品は、「戦争の時代を詳細に描いた物語」「熱い想いや切なる願い」「生きざまを描く作品」が好きな人に特におすすめです!
主人公の佐伯健太郎という青年が様々な戦争経験者から話を聞く中で、特攻で死んだといわれる祖父「宮部久蔵」の人生を明らかにしていきます。
「娘に会うまでは死ねない、妻との約束を守るために」そう言い続けた祖父は、なぜ自ら特攻を志願し命を落としたのか。
それを調べていくうちに、主人公は戦争の時代を生きた人々の声と向き合うことになります。
戦争の時代に人々は何を思い戦っていたのか、そしてその中で宮部久蔵が選んだ結末とは…
面白さポイント紹介
ポイント1 宮部久蔵の強く誇り高い生きざま
この作品で最もお勧めしたいのが、物語の実質的な主人公「宮部久蔵」の魅力的な生き様を楽しめる点です。
宮部久蔵は最初の語り部に、「何よりも命を惜しむ臆病者」として紹介をされ、二人の孫はその評価にがっかりしてしまいます。
しかし、複数の人から話を聞くうちに、宮部久蔵はただ臆病なだけの人ではなかったということが明らかになっていきます。
彼は確かに勇敢に命を懸けて戦う人ではありませんでした。
しかし、自分や周囲の人たちの命の尊さをよく知っており、それを守るためならあらゆる努力を惜しまない人でした。
激しい非難を浴びながらも貫かれた彼の信念は、周囲の人の命を救い、生き方をも変えていきます。
厳しい時代や周りの空気に負けず、自分の生き方を貫いていく姿は現代に生きる私たちにも生きる指針や勇気を与えてくれますので、ぜひ楽しんでください。
ポイント2 戦時中の人々の熱い想い
この物語は、戦争を実際に体験した人々から話を聞いていくという形で進んでいくため、戦時中の出来事や戦っていた兵士たちの心情を詳細に知ることができます。
日本がどんどん追い詰められていき、兵士たちの戦う環境も過酷になっていく様子が様々な立場の元隊員たちから語られます。
読んでいくと、戦争がいかに悲惨なものかを実感すると同時に、戦った一人一人が私たちと変わらない心を持った人間だったことに気づかされます。
ともに苦難を乗り越えた人々が次々と死んでいく厳しい状況の中で、それでも戦う以外の選択は許されなかったこと。
大切な人たちの未来を想って、仲間たちの心情を気遣って、決死の戦いに精一杯明るく挑んでいったこと。
周囲の目の冷たさや、戦争の後遺症に耐えながら焼け野原になった日本を必死でよみがえらせたこと。
全てのエピソードが胸に迫り、戦争の時代を生きるということがどういうことかを私たちに教えてくれます。
これを知れるというだけでも、この小説を読む価値は十分にあると思います。
ポイント3 宮部久蔵の死の謎
宮部久蔵が特攻に自ら志願して亡くなったという事実は、この物語の冒頭で明かされます。
しかし読み進めていけばいくほど、宮部久蔵は自分から特攻を志願するような人物ではないということがわかり、死の謎がどんどん深まっていきます。
読者は、特攻で死んだというのは何かの間違いだったのではないか、いや間違いであってほしいと願いながらページをめくり、最後にその真相を知ることになります。
「娘に会うまでは死ねない、妻との約束を守るために」
その誓いにこだわり、死に抗い続けた宮部久蔵が選び取ったものとは。
人々の熱い想いが紡いだ壮大な愛の物語の結末をぜひ見届けてください。
最後に
この作品は、戦争という非常に重たくてデリケートな題材を扱っているため、様々な意見があることだろうと思います。
しかし、そういったことを差し引いても読む価値がある、非常に面白い作品なので、ぜひ読んでいただきたいです。
読んでみれば熱い想いと美しい生きざまに触れて、自然と涙が出てくることだろうと思います。
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